この記事のような話があるたびに、日本の雇用の問題点が浮き彫りになる。その一つが、あたかも労働者より上であるかのように振る舞っている会社も多く存在しているということだ。その結果、本人の意思に反して月に100時間以上も残業を強いるということも起こってくる。労働基準法では、労働時間は原則として週40時間まで、1日8時間までと定めている。
また、日本では労働者の中でも正社員と非正社員というようないわば「身分制度」が存在するために、記事にあげられているような、正社員を「餌」に従業員を釣るような会社も出てくる。そして、労働者をあたかも奴隷のようにこき使い、過労自殺という悲劇を生んでしまった。日本の年間自殺者は10年以上にわたって3万人を超えている。日本の人口に占める自殺者の割合は米国の2倍以上である。そして、自殺とまではいかなくても、うつ病をはじめとする精神的な病にかかる日本人は増え続けている。いかに日本が生きにくく、希望が持てない国であるか、いかに閉塞感を抱えた国かが見てとれる。この記事にあるような事実が、こうした閉塞感を生み出す一つの源泉ともなっているだろう。
この記事中にある自殺してしまった人がもし生きていたなら、筆者なら「そんな会社など辞めてしまえ」とアドバイスしただろう。正社員を「餌」に月100時間も残業させるような会社は、労働者のことを真剣に考えているはずがないし、もっとその人に合った職場はあったはずだ。世界は広い。その会社だけが「世界」だと錯覚するから、月100時間超の自分の意思に反する過酷な勤務でこき使われてもその会社にしがみついてしまうのだ。
これはいじめを苦に自殺してしまう人たちにも言えることだが、一つの職場や学校でいじめを受けたからといって自殺するほどもったいないことはない。そのいじめが我慢できないほどなら転職なり転校なりすればいい話だ。自殺する勇気があるなら、その勇気をそちらの方向に使ったほうがいい。会社も学校も、この広い世界の中では、とてもちっぽけなものだ。
労働者は会社の奴隷でも犬でもない。労働者と使用者は労働契約に基づき対等な関係である。労働者には退職の自由もある。自殺などする前に、こうした労働者の権利を知り、自己防衛をしてもらいたい。


by acclaim
この件では橋下に非がある